山口智子さんの“子どもを生まない人生の選択”が物議を醸しだしましたよね。
突き詰めると、人間も“動物”なのですから、“子孫を残す”ということは生理的な反応なんですよね。つらい思いをしたり、悲しい思いをして衝突をしても、“家族の絆”に生きがいを覚える方も多いでしょう。
それに、家族の絆というのは、他人には干渉できない独特の“カタチ”や“雰囲気”がありますよね。
ただ、“もし母親だと思っていた女性と血がつながっていなければ”、多くの方はどう感じるのでしょうか。
『八日目の蝉』では、そんな親子の姿が演じられますよね。
◆血縁関係にあるのが「本当の親子」だと言い切れるか
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『八日目の蝉』で、永作博美さん演じる希和子がしたことは、まぎれもなく“犯罪”です。
それは当然、当事者も自覚しているからこその、映画での“逃亡生活”の展開になったわけですよね。
ただ、“血がつながっていないから親子の絆はないのか”ということに関しては、非常にナイーブな問題ではあるものの、“血がつながっていなくても親子の絆は存分にある”と思うわけなんですね。
古くない記憶では、喜多嶋舞さんとの間の息子さんと血縁関係がなかったことが判明したことで話題になった、元・光GENJIの大沢樹生さんの姿があります。
大沢さんは報道では涙を流していましたが、息子さんが長年連れ添った“家族”であるならば、むしろ悲壮に感じることはないはずなんです。
確かに、“血がつながっていない”ということが判明すれば、誰しもショックは受けますよね。また、大沢さんの場合は“裏切られた”ことへの悔しさや悲しさもあったんでしょう。
でも、たかが“血”だと思うわけなんです。
というのは、いくら“血縁関係”でも、今の世の中、多くの親が自分の子どもを殺害する事件も増加していますよね。
“実親に殺される子ども”であるのなら、“血がつながっていなくても絆がある親の子ども”であった方が幸せになるケースもあるのでは?
◆血が繋がっていない子どもが嫌いになってしまうのは動物の本能?
ライオンは一夫多妻制です。ただし、自分の力が強いというのが前提のよう。要するに、弱いライオンは“自分の子孫を残せない”ということなんですね。
人間も、本来は動物なので、“生殖活動をして子孫を残したい”というDNAは、男性の体に眠っているのかもしれません。
バツイチの女性が子連れで男性と付き合った結果、その子どもが殺害されるというケースもありましたよね。
男性は、血が繋がっていない子どもを“本能的に”嫌いになってしまうという可能性もあるわけです。
おそらくこれも、“血縁関係にある親子の絆”こそが“親子のカタチ”であるべきだといわれる理由の一つであり、血縁関係にない親子に“真の絆がない”と誤解される一つなのではないでしょうか。
◆血縁関係にはないけど親が献身的…でも寂しさが残る方へ
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『八日目の蝉』を見た方は、井上真央さん演じる薫=恵理菜の心理描写に痛いほど共感したのではないでしょうか。
「優しかったお母さんは、私を誘拐した人でした」
でも、事実、育ててくれた母親は記憶から消すことはできないものです。
確かに、人間や動物にとって“血”というものは、家族の絆やカタチを作る上では大事なことなのかもしれません。
でも、人間っていうのはもっと“理性的な動物”だと思うんです。
本能とか、カタチとか、そういったことを超越できる“親子のカタチ”があってもいいと思うんですね。
無責任なことを書いているのかもしれませんが、“ほんとうに愛してくれる家族”がいるのであれば、そこには血縁だけを重視するほど虚しいことはないのでは?
触れたように、いくら血縁関係があっても“虐待”や“ネグレクト”がある家庭も多いんです。
また、最悪のケースとしては、“家族を殺害してしまう”という事件も多くあります。
そもそも、比較する内容ではないのかもしれませんが、“家族の絆”というのはある意味深くても、“その程度”のものなんです。
大事なことは、どんなカタチでも“愛情があるかどうか”ではないでしょうか。
まとめ
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当時、『八日目の蝉』で号泣した筆者の独断でした。
そもそも「子どもへの愛情とは何でしょう?」という問いかけに、真摯に答えられる方はどれほどいるのでしょうか?
親子のカタチと、親子の絆とは別物だと思うんです。
そこに“献身性”があるかどうかが大事では? 自分の人生の時間を費やして、子どもを思う気持ちがあれば、それはカタチにこだわる必要はないと思うんです。
人生において、自分自身を取り巻く環境を生前に選択することはできません。
でも、生後の環境は自ら変えることができるはず。
今回、2016年の2月26日にTVでも放映される『八日目の蝉』で、どう感じられる方が多いんでしょうか。
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